Nuxt.js のような自動ルーティングを可能にする Vue CLI プラグインを作った
Nuxt.js という Vue.js で SSR をするアプリケーションが簡単に書けるフレームワークがあります。Nuxt.js は SSR だけでなく、webpack の設定やディレクトリ構造なども最初から決められており、規約がすでに存在することによる開発の効率化の面においても注目されています。
個人的に Nuxt.js で便利だと感じている機能にルーティングの自動解決とレイアウト機能があります。通常の Vue Router を使ったアプリではルーティングの設定は自分で書く必要がありますが、Nuxt.js では pages/
ディレクトリ以下の構造から自動的にルーティングの設定を生成してくれます。また、Rails のレイアウトのように、各ページごとにレイアウトファイルを指定することができます。
これらの機能に慣れてしまうと、Nuxt.js を使っていないプロジェクトにおいて自分でルーティングの設定を書くのがとても面倒になってきたので、Nuxt.js じゃなくてもいい感じにする Vue CLI プラグインを書きました。
また、vue-cli-plugin-auto-routing は独立したパッケージを組み合わせているので Vue CLI プラグインを使えない環境の場合は以下の2つを直接使うと良いです。
vue-auto-routing: ルーティングの設定をディレクトリ構造から生成する webpack プラグイン vue-router-layout: レイアウト機能を提供するコンポーネント
vue-cli-plugin-auto-routing の使い方 #
Vue CLI v3 用のプラグインなので、それで構築したプロジェクトでのみ使用することができます。Vue CLI v3 でプロジェクトを生成するには以下のようにします。
# vue-cli v3 をインストール
$ npm install -g @vue/cli
# プロジェクトを作成
$ vue create new-project
vue-cli-plugin-auto-routing を使うにはプロジェクトのディレクトリ内で以下のコマンドを実行します。
$ vue add auto-routing
これを実行すると router.js
が書き換えられ、layouts/
, pages/
ディレクトリが追加されます。これらのディレクトリ内にファイルを追加すると、Nuxt.js と同様に動作することがわかると思います。
vue-auto-routing と vue-router-layout #
vue-cli-plugin-auto-routing で生成された router.js
を見ると以下のように記述されています。
import Vue from 'vue'
import Router from 'vue-router'
import routes from 'vue-auto-routing'
import { createRouterLayout } from 'vue-router-layout'
Vue.use(Router)
const RouterLayout = createRouterLayout((layout) => {
return import(`@/layouts/${layout}.vue`)
})
export default new Router({
routes: [
{
path: '/',
component: RouterLayout,
children: routes,
},
],
})
vue-auto-routing
が pages/
以下のディレクトリ構造からルーティングを生成しています。vue-router-layout
は現在表示されているコンポーネントに指定されているレイアウトを layouts
以下から選択して描画するためのコンポーネントです。createRouterLayout
のコールバックでレイアウトのコンポーネントを返しています。
Nuxt.js と異なり、Vue Router の設定は隠蔽されていないので、カスタマイズの幅は広いと思います。例えば、createRouterLayout
のコールバックを書き換えてレイアウトの解決の仕方を変えたり、routes
に追加のルーティングを増やしたりできます。
Vue CLI v3 が使えない場合はこれらのライブラリを直接使うことができます。詳細な使い方は vue-auto-routing と vue-router-layout の README を読んでください。
まとめ #
Nuxt.js を使っていないプロジェクトにおいても pages/
、layouts/
機能を使えるようにする Vue CLI プラグイン vue-cli-plugin-auto-routing を作りました。Vue CLI プラグインが使えない環境では vue-auto-routing
と vue-router-layout
を使うことで同じ機能を使えるようにできます。
Vue Router のルーティングはいろいろと細かく設定できますが、実際に開発していると Nuxt.js のルーティングで十分に感じます。これからはルーティングの設定を手で書くことは少なくなっていくのではないかなーと思います。